……あれ?


終わることは、

私にとって

嬉しいことのはずなのに、

なんで心がズキンと痛みだすの?


心の反応を打ち消すように

首を思い切り横に振る。


そうだよ。


私、まだ本調子じゃないから、

気持ちだって

不安定になってるだけ。


そう、そうなんだ。


すっかりいつもの私に戻ったら、

心だってちゃんと落ち着くはず。


今は深く考えないようにしよう。


自分に言い聞かせるように

こくんと頷くと同時に、

教室のドアがガラガラと

音を響かせた。


「皆さん、おはようございます。

 今日は、午前授業ですが、

 その全てを使って

 卒業式の全体練習をします。

 このまま廊下に並んで

 体育館へ行きましょう」