そしたら早速、

お見舞いに来てくれた時に

約束したことを、

凛はちゃんと実行に

移してくれたんだ。


今まで1人で通っていた通学路が、

なんだか今日からは違って映る。


凛と登校することが

こんなにも楽しいこと

だったんだ。


卒業間近になって気付くなんて、

少し勿体無いことを

したかもしれない。


「まだ本調子じゃないでしょ?

 ゆっくり歩いていいからね」


ふわり微笑んでそう言った凛は、

さりげなく私に

歩調を合わせてくれている。


こういうふとした優しさが

心にぐっと沁みてくる。


「ん、ありがと」


凛と一緒だったら、

安心できる。


例え、ふっと突然、

高橋くんが現れたとしても……。