チョコレートトラップ

「あんまり近寄らない方がいいよ。

 インフルエンザが

 うつっちゃうから」


しかし凛は首を

思い切り横に振ると、

人差し指をピンと立てて

茶目っ気たっぷりにウインクする。


「芹菜からだったら喜んで」


その愛らしい仕草に、

ふっと身体がぽっぽとしているのを

忘れてしまう。


言うこと訊かないはずなのに、

身体を起き上がらせることが

すんなり出来てしまった。


やっぱり親友のパワーって凄いな。


凛がベッドサイドに

ちょこんと座ると、

声のトーンを少し

落とし気味に呟いた。


「ウソタのことで、

 また何かあったんじゃないの?」


その言葉に

心がビクンと大きく反応する。


凛には、私の心を

見透かしてしまう能力が

あるんじゃないかと思うくらい。


私は凛に視線を向けると、

こくんと小さく頷いた。