チョコレートトラップ

私の中でガタガタと

音を立てて何かが壊れる。


ずっと胸の奥で温めていた

高橋くんへの想いが、

まるで子どもが頑張って積んだ

積み木をちょんと

刺激したかのように、

一気に崩れていく。


高橋くんへの想いが、

こんなにも簡単に

冷めてしまうなんて。


あれだけ必死になって

見つめ続けてきた相手が

どうでもよくなってしまうなんて。


「もう私、ここには来ないと思う」


少し俯きながら、

私は静かに呟く。


それは、ショップに流れるBGMに

そぐわないほどに冷たく、

鋭いものだった。


そんな私の声が届いたのかどうか、

高橋くんの身体が一瞬

ビクンと振るわせたのを感じた。


そして小さな溜め息を

ついたかと思うと、

渇いた笑いをし始めた。