チョコレートトラップ

私はちゃんと、

高橋くんを見ていたワケでは

なかったんだ。


振りほどかれた腕を

そのまま胸の辺りに軽く組んで、

高橋くんが私に

ふわりとした笑みを投げかける。


「磯貝さんのその反応、

 カワイイね」


私に見せるその笑みは

本心からなのだろうか、

それとも……。


少しずつ足を後ろへ滑らせながら、

私も負けじと微笑む。


けれど、高橋くんのように

優しい顔になんて

どう頑張っても出来ない。


「高橋くんって、そういう事、

 どんな女の子に対しても

 言っちゃうんでしょ?」


私の言葉に、

高橋くんが小さくクスリと笑う。


「そんな事ないよ。

 僕は正直に言ってるだけ。

 磯貝さんは本当にカワイイよ、

 すっごくね」