チョコレートトラップ

でも、私だから

こうしてくれているの?


それとも、女の子なら

誰でもこうしてしまうの?


息が苦しくなるほど暴れる

鼓動をそのままに、

私は咄嗟に高橋くんの手を

振りほどいた。


高橋くんにワンピースのこと

覚えててくれたのは

確かに嬉しかった。


だきしめられて

耳元で囁かれるなんて、

夢にも思わなかった。


でもそれって、

私の中にある高橋くんとは

あまりにもかけ離れている。


私のスキな高橋くんは

こんな軽はずみなことなんて

絶対しない。


もっと紳士的で穏やかな

雰囲気のはずなのに。


……この胸の鼓動は、

嬉しさからじゃない。


高橋くんの振る舞いに、

私の心が追いついていない

だけなんだ。


私は―――