チョコレートトラップ

私のぎこちない笑みに

応えるように、

高橋くんが少しだけ

頭を下げて挨拶をしてくれた。


学校を終えたばかりだというのに、

それを一切感じられないくらい

高橋くんの笑顔は輝きを

放っている。


まるでそれが当然のように。


本当に一アルバイトなのだろうかと

思うほどに、眩しい。


これは店員として?

それとも……。


「今日、高橋くん、

 バイトだったんだね」


挨拶代わりに、

そんなことを言ってみる。


ただ、黙ったままでいるのが

苦しく感じてしまったから。


そんな私の言葉に、

それまであった微妙な距離を

ずんと縮めた。


「磯貝さんこそ。

 学校で疲れているのに

 来てくれてありがとう」


ほわんと温かい空気が

私の耳を包み込む。