チョコレートトラップ

―――高橋くんだ。


ずっと逢いたかった高橋くんが、

とろけるような甘い笑顔を

見せて近付いてくる。


「高橋くん……!」


よかった。


半ば諦めていた高橋くんに

ようやく逢えて、

ホッと胸を撫で下ろす。


と同時に、緊張が張り詰める。


今日、ここに来たのは、

他でもない。


高橋くんの本当の姿を

確かめるため。


そして、私の本当の気持ちを

確かめるため。


そのまず第一段階に、

高橋くんがそれに

気付いてくれるかどうか。


わざわざ家に帰って着替えてきた

このワンピースを、

高橋くんがちゃんと

覚えていてくれているかどうか。


祈るような気持ちで、

私は高橋くんに向かって

ふわりと微笑んだ。