「いってきます」


リビングにいるであろう

母親に声を掛けると、

私はお気に入りの靴を履いて

家を飛び出した。


それまで着ていた

くたびれた制服から、

イエローの小花柄のワンピースを

身にまとっている。


そう。


この間、高橋くんに

貰ったあのワンピース。


これに着替えるために

私は一旦、家に戻ってきた。


今から向かう、ある場所―――