昇降口に向かう途中、

いつも一緒に帰る凛に

メールを送る。



『凛、ゴメン!

 私、今日は1人で帰るね。

 用事思い出しちゃって』



本当は用事なんて、

始めっからない。


でもそうでも言わないと、

凛が納得するはずがない。


親友に嘘をつくのは、

すごく心が痛むけれど。


すると数秒もかからず、

凛から返信が届いた。



『そっか。了解!

 じゃ、また明日ね』



メールの向こうの凛に

「ごめんね」と呟くと、

校門をくぐり抜けて、

とある場所へと向かい始めた。