「やっぱ高橋くん、

 バイト姿もめっちゃ

 カッコイイよねー」


「ヤバ過ぎるって」


「それにさ、私たちに

 似合う服も選んでくれたしさー」


「彼女、ホントにいないのかなー」


「なら、私が立候補する!」


「アンタじゃ、ムリだよ。

 私が立候補する!」


女の子の声に、私は思わず

その方へ視線を向ける。


偶然、高橋くんのバイト先に

行った時に見た女の子たちだ。


ショップを後にした私と

すれ違うように入っていったのを

思い出す。


そうっか。


彼女たちは、高橋くんに

逢うのが目当てで

あのショップに行ったんだ。


あの時、高橋くんが

寂しげな目をしながら

言っていたこと、

あれは本当の事だったんだ。