学校内に入ると、

やはりみんなの熱は

まだ冷めていないようで、

いろんな方向から

視線を向けられたり、

指を指されたりする。


予想していたとはいえ、

正直なところやっぱり辛い。


この反応が、

一体いつまで続くのかと思うと、

心がずしりと重くなる。


でも、大丈夫。


私は1人なんかじゃない。


隣で優しく手を包み込んでくれる

凛がいる。


手を包み込んでくれると同時に、

私の不安な心を

すっぽり覆って温かくしてくれる

頼れる親友がいる。


だから私は大丈夫。


たとえ、これから何があっても……。


私と凛は手を繋いだまま、

3年生の昇降口へと入った。