きっかけは体育祭での

颯爽と走る姿だった。


風のように走りぬくその姿は、

私の心を一瞬の内に

持っていかれる程だった。


でも、これまでずっと

スキだったのは、なぜ?


走るその姿が、

私の頭の中で

大きくなり過ぎてしまっただけ?


私のスキな高橋くんは、

もしかしたら、私の中の

『理想の高橋くん』

だったのかもしれない。


今日、偶然にも

高橋くんのバイト先を知って、

高橋くんと

言葉を交わすことが出来て、

どう感じた?


それは勿論、嬉しかった。


『私の中にない高橋くん』

を知ることができたから。


でも、それが、

私の気持ちを少ながらず

揺れ動かすことになってしまった。