確か、高橋くんと

同じクラスの女の子たちだ。


向こうは私のことに

気付いていないようで、

キャピキャピした弾む声で

話をしている。


「早くしないと、ヒロ、

 バイト上がっちゃうよ」


「マジで? あ、本当だ。

 もうすぐ5時じゃん!

 ヒロに逢うために

 ここまで来てんだから!」


「私に似合う服、

 ヒロに見つけて

 もらわなくっちゃ!」


女の子たちは

まくし立てるような早い口調で

話し終えると、

パタパタと他の乗客を

縫うように駆けていった。