スキな人からプレゼントされた

お気に入りのワンピース。


心が躍るくらい

嬉しかったのは間違いない。


でも、私の知らない高橋くんを

間近で知ってしまった今、

本当に、心の底から

喜べるのかと訊かれると

答えに困ってしまう。


あんな言葉を口にするなんて、

想像すらしていなかったから。


ホームに電車がするりと滑り込む。


ホーム上に描かれている

乗り口のガイドの通りに

電車が止まり、

ドアが開くと同時に

たくさんの人が流れるように

降りてくる。


乗客が降りるのを、

ただぼんやりと眺めた。


「あ……」


私の視界の中に、

人の流れの中から、

とある子たちの姿を見つけた。