チョコレートトラップ

「あ、ごめんなさい。

 大事な商品なのに」


「磯貝さんに似合ってる。

 それに、磯貝さんも

 気に入ってるんでしょ?」


何気なく取った、

このイエローの小花柄の

ワンピース。


一目見て気に入ったものだし、

値段も私の予算内におさまる。


それに高橋くんに

「似合ってる」なんて言われると、

本当にそんな気がして

心が甘い蜜で満たされる。


にんまりと笑顔になって

こくんと頷く私に、

高橋くんもまた頷き返してくれた。


「そういえば、高橋くん。

 なんでこのショップで

 バイトしてるの?」