チョコレートトラップ

私の大好きな

イエローの小花柄のワンピース。


「かわいい……」


色も、柄も、形も、

全てが私の好みにピッタリの

それを、

目の前に掲げるように

持ち上げてじっと見つめる。


すると、今度は違う店員が

私にゆっくり近付くと

そっと声をかけた。


「もしよろしければ、

 どうぞご試着ください」


聞き覚えのある声に、

私はその声の方へ視線を向ける。


「!」


目を丸くしたまま固まる私に、

その人はふわりと微笑んだ。