凛を誘おうか考えたけれど、

今日はちょっと

1人の時間が欲しかった。


頭の中を空っぽにして

身体の内側を

リフレッシュさせたかった。


ただ、

勢いだけで出てきてしまった

私には、目的地なんてない。


これから1人でどうやって、

なにして過ごそうか。


ほんわかと穏やかな人の波に

身を委ねながら、ぼんやりと

流れる雲を見つめる。


なんとなく歩いていたら、

もうすぐ駅に到着する。


ここまで来たら、

電車に乗って隣町まで

行ってみてもいいかもしれない。


取り合えず初乗り料金の

切符を購入して、

そのまま流れるように

改札口を通り抜けて

ホームへと足を進めた。


ただなんとなく決めた行き先で、

思いもよらぬことが

待ち構えていることなど、

知るよしもなかった。