あやなき恋




「ありがと、」



私はそのままタオルを受け取って顔を拭いた。



「彩乃!いつまでゆっくりしてんの!もう時間よ」



リビングからお母さんの声が聞こえて、私は飛び出した。



たまに、誠治がよく分からなくなる。



兄妹ってこんなもんなのかな。



でも紗江は弟と喧嘩ばかりしてるって言ってるもんな。



私は朝食もろくに取らずに家を出た。