それから私はノロノロと起き上がって洗面所に向かった。 顔を洗っているときに後ろに気配がした。 「おはよう彩ちゃん」 「あっおはよう」 お父さんが歯ブラシを取りに後ろから手を伸ばした。 「あ、はいこれ」 それを変わりに取ってお父さんに渡す。 「おお、ありがとうね」 私は水を手にためて泡を落とし始めた。