『取りあえず買い物だな。早速移動したほうがいいんじゃないか?』

彼方は双子を見た。

『そうだな。だがどの位時間がかかるものなのかわからない。』

『二日後の三連休にでも行こうか。』

双子の提案に俺達は頷いた。

一日以上かかった場合を考えて彼方達は「城 紅葉(きづち くれは)」という架空の人物を作り出し、紅葉の家い泊まると親に説明した。

二日後、彼方達は宿泊準備を整え屋敷に集まった。

日付は5月12日。

時間は9時50分。

『『それじゃあ起動するよ。』』

双子は地下の時空転送機械の電源をいれた。

『場所は末原市3丁目23番地。誰もこないような空き地だ。』

『転送位置確定。転送まであと5秒。3、2、1・・・。』

理乃のカウントダウンと共に俺達は転送された。

『っ・・・。』

彼方が目を開くと周りはさっきと変わってはいなかった。

『時間は10時02分。日付は変わってない。こっちは大丈夫だった。』

千歳は携帯を確認した。

『音も違うし、においも違う。転送は成功だと思うぞ。』

桂雅の言葉に彼方は頷き外に出た。

『マジかよ・・・。』

わかっていながらも彼方は目の前の景色に驚いてしまった。

『どうだった?・・・って、うわー。』

後を追ってきた桂雅も驚きの声をあげた。