そのまま生徒の自己紹介も始まった。

最初に朝見た双子が立ち上がった。

『僕は左右 理都(あてら りと)。』

『私は左右 理乃(あてら りの)。』

『『よろしく。』』

双子はそれだけ言うと席に着いた。

彼方以外の生徒達はさめた挨拶に驚いていた。

『そ、それでは次、宇野君。』

桐野は空気を変えようと自己紹介を続けた。

『聖川 彼方です。』

自分の番がくると彼方は名前だけ言って座った。

さすがに二回目なだけあって双子の時ほど彼方に目はむけられなかった。

が、ちらちらといろんなやつらが彼方と双子を見ていた。

その日はそのまま終わった。

彼方はなんとなく平凡が変わっていくんじゃないか、そんな気がした。

一週間後6限目は部活動紹介だった。

一年生全員と部活動に入っている2、3年生は全員体育館に入るよう指示されていた。

だが

『何気に落ち着くな。』

彼方は理科室にいる。

彼方は部活動に入る気は全くない。すると

『他にも人がいる。』

突然扉が開き人が入ってきた。

『確かクラスにいたな。・・・聖川だったっけ。』

それは彼方が入学式の日に気になった双子だった。

『あんた等は部活動紹介いかないのか?』

彼方は少し双子に興味がでた。

『行かないよあんなとこ。』

『普通すぎ。つまらないし。』

双子は面白くなさそうに扉を閉めた。