「え、だ」 誰?と聞こうとした私の言葉を外からの大声で遮られた。 グラウンドに目を向けると野球部が練習試合を行っていた。どうやら、誰かがヒットを打ったようだ。 「藤崎君…」 ぽつり、と百合が呟いた事に私は気付かなかった。 グラウンドに立つ、1人の人から目が離せなかったから。