委員会が長引いたため、すっかり暗くなった外を下駄箱から見つめていると、後ろから声をかけられた。 「山本さん?」 期待を込めてゆっくりと振り返ると、部活が終わったらしい桜木君がエナメルバッグを肩から斜めに掛けて立っていた。 額には、まだ薄らと汗が残っていて、練習を頑張ったことが伺えた。 「こんなに遅くまでどうしたの?」 首を傾げて桜木君が言った。 「今日は、委員会が長引いちゃって…。まぁ、いつもの事何だけどね」 と軽く笑った。