「あのさ、俺今日やっとスタメンに入れたんだ。」 桜木君が言った言葉がまるで自分の事の様に嬉しかった。 「凄いね!おめでとう!」 余りに嬉しくて、ついつい大声で言ってしまった事を恥ずかしく思っていると、再びケータイから声が聞こえてきた。 「俺、頑張るからさ、今度の試合また来てね!」 そう言うと私の返事も聞かずに桜木君は電話を切ってしまった。