ガラっ という音とともに誰かが教室に足を踏み入れた。 振り返るとそこには田中君が立っていた。 「ごめん、今の話聞いちゃった。」 彼にしては珍しく真剣な顔をしていた。 私たちが何も言えずにいると再び田中君が口を開いた。 「こんなこと今言うつもりじゃなかったんだけど、百合ちゃんや、りんごちゃんがあいつらを好きなように俺も…」 「祐樹ー!!」 田中君の言葉を遮り、誰かが田中君の名前を呼んだ。 「将斗…。」 田中君がそう呟いた時、ほんの少し百合が反応した。