でもあの男子は、この町では見た事もなかった。

私はきっと違う県か町から来たんだろうと思い、余り気にしなかった。



「ただいまぁ!!!」

私は大きな声で叫びながら、玄関からバタバタとリビングに向かう。

「お帰り。どした、そんな慌てて?」

今日は仕事が休みで、新聞を読んでいたパパに私は飛び付いく。

「ハァ..ハァ..!っ、あのね?!さっき生で喧嘩見ちゃったの!!凄かったよ!!?」

私は興奮しつつも、目を輝かせて言った。

「喧嘩〜?!女の子はそんな物見るんじゃないよ?」

パパは呆れた顔をしてそう言う。

「だってね?中3ぐらいなのに、地元の高校生に勝ったのよ?」

私の興奮はまだおさまらない。

「あ〜凄い凄い!ほら?部屋で着替えて来なさい!」

「も〜!!パパの馬鹿!」

私はそう言い残して部屋に戻った。