あたしは侑斗の後ろをヒョコヒョコついて行く
よく見たら小さい頃とは打って変わって
侑斗の方はがっちりいている、背中もなんだか広い
そして何より、歩幅が広くなっているから
付いていくのが大変だ
「侑斗...」
「何??」
「速いよ」
「ゴメンでもこれが普通なんだけど」
侑斗はあからさまにスピードを落として
あたしの歩幅に合わせる
しばらくの沈黙...
その時、侑斗が口を開いた
「お前さぁ、」
「何?」
「今日担任に怒られてたろ」
げっ、聞かれてたんかい
あたしは恥ずかしくて赤面した
そんな顔を見られたくなくて
下をむいた
「お前ぜってー寝てたろ」
「何で分かったの!?」
「何となく」
そう言って侑斗は
フェンスの前に腰を下ろした
あたしは侑斗の隣りにストンと座る
良かったいつもと変わらないこの光景
あたしはお弁当を開けながら
侑斗と部活のことについて話し始めた
「ねぇ侑斗、最近どぉ?タイム上がってる?」
「おおっ!!バリバリ上がってる!!」
「そりゃすごいじゃん!」
「まぁ、いっつも誰かさんが練習中にも関わらずいっけーなんて叫んでるからなぁ」
侑斗は嫌味っぽくそう言って横目で私を見る
まぁ、確かに大声で叫んでるけど...
でも、そのおかげでタイム上がったなら、
あたしに感謝してくれなきゃ!!
「ハイハイごめんなさいねぇ」
あたしはチョットだけ嫌味を込めて
そう言った
「まぁ、でもありがとな恭」
侑斗はあたしに向かって無邪気な笑顔を見せた
ドキッ...
ドキッ?
い、今の何!?
え、あたし今侑斗にドキッてしたの!?
なし!今のなし!!
そんなあたしをよそに
侑斗はあたしの顔を覗き込んで
「どーした?」
なんて言って弁当を
ほおばっている
はぁ...
絶対今のは気のせいだ
こんな小さい子みたいな奴、
あたしがときめくわけがない
あたしは再び弁当を
食べ始めた

