ガラガラッ

「恭ちゃ~ん!!」

「!?」

あたしと侑斗は驚いた拍子に手を離した

「濱野先輩!?それに篠原先輩!!」

あたしは拍子抜けした顔で
保健室に入ってきた二人を見つめた

「いやぁ~、心配で見に来ちゃった...って何で侑斗と2人っきりなの!?俺泣いちゃう...」

「なんで、濱野が泣くんだよ」

篠原先輩が軽く突っ込む

「あははっ!!」

思わず笑ったあたしに
先輩たちはあたしが笑ったのを見た時の侑斗みたいな顔をした

「最近、恭ちゃん部活出てなかったから心配したよ」

「篠原先輩...」

「恭ちゃんが来てくんないから俺記録のびてなぁ~い!!」

「嘘付け!!」

皆...心配してくれてたんだね
でも、あたし今陸上見たくない...

「恭?」

「ん?何、侑斗」

「今日の練習は出れんのか?」

「...侑斗、あたしね、ちゃんと過去とケリをつけないといけないと思う...」

「え!?」

あたしと侑斗の会話がわかんない先輩は
キョトンとしてる

「恭ちゃん?」

「あの、先輩あたし...」

「恭!!」

侑斗があたしの言葉を遮った

「いいのか?」

「...うん、もう抱えきれないの」

侑斗は悲しい顔をして
静かに頷いた

「あの、先輩、あたしは濱野先輩が言ったとおり小学生の頃、高飛びで全国大会に行ってます
でも、正確に言うと...出る予定だったんです...」

「え?」

「あたしは、全国大会の直前に、足を捻挫...してしまって...」

やばい...泣きそう

「...後は俺が話します」

あたしの様子に気がついたらしい侑斗が
あたしと変わってくれた

あたしの過去が佑都によって語られた...