「ねぇゆう君、あたしね、ジャンプは誰にも負けないよ」

「じゃぁ恭ちゃんは、高飛びすれば?」

「たかとびぃ?」

なんだろ...懐かしい
これって、小さい頃した侑斗との会話だ


「あのね、高飛びってね高い棒をね、びょ~んって飛び越えるの
恭ちゃんのジャンプなら絶対出来るよ」

そうだ、侑斗のこの言葉が全ての始まりだったんだ

「じゃぁ、じゃぁね、あたしがね高飛びして、ゆう君が走るんだよ!!2人で誰にも負けない、
1番の選手になるの!!」

「わかった」

「約束だよ?」

「うん、約束」

そんな約束もしたっけなぁ
でも、今のあたしには...



ポロッ...



「ん...夢?...当たり前か」

あたしは思わず溢れた涙を拭った
侑斗は相変わらず寝てる
2人共手を握ったまんま...昔と変わらないぬくもり

「んん...恭、起きたのか?」

「侑斗の方が寝てたね」

「そうかぁ?」

「あははっ、やっぱり侑斗はバカだなぁ」

笑ったあたしを見て
侑斗が優しい笑みを浮かべた

「侑斗どうしたの?」

「ん?恭が笑ったとこ久しぶりに見たから...最近寝れてなかったんだろ?」

「え?」

侑斗はあくびを一つして
椅子に座り直した

「何で分かったの?あたしが...寝れてないって」

「幼馴染だからじゃね?」

侑斗...心配してくれてたんだね...
ホントはね、あたし知ってたんだ
侑斗がいっつも朝、早く来すぎて玄関の前でウロウロしてたの

「心配しすぎだよ...でも、ありがと」

「恭からありがとうなんて何年ぶりに聞いたかなぁ~」

侑斗はそう言いつつも
照れ笑いを浮かべていた