ガチャッ...

あたしは今日も
朝ごはん食べずに出てきた

「よぉ...」

「あ、侑斗...おはよ」

笑ったけど、笑えたかな?
顔、引きつったかも...

「今日、朝会だな、校長の話なげーけど、大丈夫か?」

「うん...」

また今日も穏やかな坂を2人並んで歩く
自分の存在を確かめるように
一歩一歩踏みしめる...

「あ、着いた...」

「じゃぁ、恭!!後でな」

「あ、侑斗...行かな...」

行かないでって言いそうになった
でも、行っちゃう前に侑斗は走り去ってしまった

「相変わらず早すぎだよ...」



ガラガラ



「あ、恭ちゃんおはよぉ~」

「奈那...おはよ」

「あのねぇ、聞いてぇ、マー君がァ...」

奈那がいつものハイテンションで
マー君のことを話し出す
あたしの耳には全然入ってこない

「でねぇ~、って恭ちゃん?聞いてる?」

「あ、うん」



ピンポンパンポ~ン



『朝会開始五分前です、生徒の皆さんはグラウンドに集合して下さい』


ピンポンパンポ~ン


「あ~ぁ朝会だってぇ~」

奈那がだるそうに言う
皆が廊下に並びだす

「恭ちゃんいこっ」

グラウンドにはもう
来てないクラスの方が多い

「あ、侑斗...」

あたしは侑斗の隣のクラスだから
座るのも隣、背の順もおんなじだから
ホントにすぐ隣にいる

『校長先生のお話です』

いつも座らせてもらえない
校長の長話が始まった

その時だった...



クラッ...


「侑斗...」

目の前が真っ白になった
何も見えない...最後に見たのは
侑斗の顔だった...