あたしはその日部活をサボった
何か行きづらくて...

ガチャっ


「ただいま...」

「おかえり~って恭!?部活は!?」

「今日は無くなったんだ」

うちの母さんは学校生活だけはちゃんとして欲しい
って人だから部活サボったなんて...
口が裂けても言えない...

「何で?今日は晴天で陸上するのにもってこいの天気じゃない?」

「あ、そうなんだけどぉ...先生に急用が出来て無くなったって...」

「そうなの?」

あたしは適当に返事をして
自分の部屋のある二階へと上がっていった

そしてベッドにねっ転んだ

「制服脱がなきゃ...」

シワになっちゃう...
明日しわしわのスカート履くとか...
侑斗に笑われちゃうな...

そんなこと考えてたら
いつの間にか寝てた


...ぁぁぁ...

「?...ここは?」


わぁぁぁぁぁぁ!!!

「何これ!?」

『来ました!!陸上協会期待の星!!樋口 恭選手です!!!」

「えっ!?」

あたしの前には
あたしの身長を軽く越す高さにある
高飛び専用の赤と白のしましまのバーだ

周りからは「とべー」だの「いけー」だの
声が聞こえる

「ま、まって...あたし跳べな...」

気づいたら足が勝手に動いてた

「い...やだ、止まって...」

「とんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

あたしは跳んだ

カツンッ

足が、バーに...かかっ...



バッ!!!



「ハァ、ハァ、ハァ...夢?」

すごい汗...

「最悪...」