う..ょう...恭....
お前はもう跳べない...
『ざんねんだなぁ...』
『可哀想にねぇ...』

「いや...やめて...そんなことない!!!」

ガバッ!!

「ハァ、ハァ、ハァ...夢?」

またあの夢だ
思い出したくないのに...

「恭ー起きなさーい!!侑斗くん来てくれてるわよー」

「はぁい」

あたしは重い体を持ち上げて
ゆっくりとベッドから出た
動かしたくない体を無理矢理動かして制服を着た
部屋のドアを開けて
一段一段ゆっくりと降りていった

「おはよぉ侑斗」

「メシは食ったのか?」

「ううん...いらない...」

あたしは行ってきますも言わずに
侑斗の腕を引いて家を出た

「恭...もしかしてまたあの夢か?」

「...」

「恭...恭!!!」

あたしは早歩きしてた足を止め
侑斗の方へ振り返った
その瞬間、侑斗はあたしの腕を力いっぱい引いた

「いった...侑斗痛い...」

「無理すんなよ」

そう言ってあたしの腕を離すと
侑斗はあたしから目を逸した

「ゴメン...」

「謝らないで...あたしが悪いんだから」

「ゴメン...」

あたしはいつもの緩やかな坂が
いつもより長く感じた