「隠し事はするなよー。
例え友達が犯人だったとしても、間違いを正すのも友達の役目だ」

それっぽいことを言ったまま、椅子に座って事の次第を見守る先生。

・・・不良教師め。

口には出さず舌打ちをしながらも、とりあえず隣に視線を向ける。

首を横に振って返された。


しばらく沈黙が流れたかと思うと、「あんさー」と甲高い声がした。

あ。別に解答って意味じゃないよ。

「どうした？」と、先生が尋ねると、付け爪が魔女のように長い女子生徒が隣の席に座る男子生徒を指差した。

「こいつ怪しくねー？こいつ」
容疑をかけられた方は当然慌てる。

慌てすぎて立ち上がった反動で椅子が倒れた。
結構うるさかった。

「おおおおおおおおおおおれじゃねーし！
大体なんで俺なんだよ！怪しいやつならもっといっぱいいるだろ！」

いや、今のところすごく怪しいよ。大島君。

「だってあんた。向井のこと好きじゃん」

「ちょ・・・・・」

　大島君の顔がみるみるうちに赤くなった。

「おおっとー？ここで佐々木の爆弾発言！
大島君はたしてコレは事実なのだろうか？」

「先生。実況いりません」

　先生のテンションが分からない。