「それでは自己紹介しましょうか。私はさっき言ったとおり広道お兄さんです。では先生から言ってもらいましょうか」

そう言って俺のほうをみた。

「あ・・・遠山透です」

「若いですね。何歳ですか?」

「・・・・・25です」

「若ぁーい!」

お前は女子か!

「そうですね。これから山ちゃんと呼びましょうか!」

「やめてください!」

そんな親父くさいあだ名は嫌だ!

「じゃあ次々行きましょう!」

広道お兄さんは俺の右隣を指差した。

「向井美咲です」

「みーちゃんだね」

「井東祐介です」

「ゆーちゃん!」

「高月一花」

「ツッキー!」

「・・・・・・・・・・・・・柳」

「やなぎん!」

いちいちあだ名を考えないと気が済まないのか。こいつは。



まぁ。と、いうわけで。これがB班のメンバーだ。

広道お兄さんは気持ち悪いまでに満面の笑みを浮かべると、手を叩いた。

「さぁ!カレー作りをしましょう」

「カレーって、班ごとに作るんですか?」

井東が手を挙げて聞いた。

「そうですよー。班ごとにどんな味のカレーが出来上がるか楽しみですねー」

そう言うと、広道お兄さんは俺の手を掴んだ。

「レッツラゴー!」

もうヤダ。付いて行けない。

俺は早くも弱音を吐いていた。


っつか、手を離せ!