あたしを慰めるためだったキスは、きっと今ではそんな意味すら持っていなかっただろう。



だけど、悠はずっと。
意地悪なくせに、最後にはあたしを甘やかしてきたから。
優しくしてくれていたから。


あたしはそれに応えたくて。
求められただけのキスをしてきたのだ。
それはもはや一種の、条件反射のように。



そして、それが当たり前で、いつまでも変わらないと。
変わるはずがないと。
勘違いしていたのはあたしの方だ。



あたしは、いつだって悠の存在に守られていたと言うのに。

それすら、気づかずに。