あたしは、急いで校門まで行く。

が、悠の姿はどこにも見当たらない。

一応、メールがないかと携帯を開いて見ると。


『 ごめんね、先に帰るよ 』

10分ほど前に、悠からのメールがあった。



あたしが待ってろと言ってから、もう30分近く経っているのだ。

悠でなくても、誰しも帰ってしまうだろう。

それでも、悠は待っていてくれるとどこかで信じていたのに。

あたしは、胸の辺りがすぅーすぅーと、すきま風が吹くような気分に襲われてしまう。


「…悠の、ばか…っ」