だんだん近づく、長い睫毛とか。
ひんやり冷たい、薄い唇とか。
たまに触れる、高い鼻とか。
顔を右に傾ける、癖だとか。
あたし以外にも、それを間近で感じている子がいることは分かっていた。
だけど、実際に目撃してしまうとは…。
自分でも今、何に気持ちを持っていけばいいのか分からない。
胸が、やっぱり痛むんだ。
何かに締め付けられるように、痛いんだ。
『ちゅーしよ?』
小さい頃からの、悠の口癖。
これを他の女の子達にも、甘ったるい声で囁くのだろうか。
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