あたしは思わず、フェンスに飛び付くように見てしまう。


「ちょっ、なによ…あれっ!!」

「いやっ、陽菜ちゃんこそ落ちついてぇ~!」



でもっ!
だって、だって、だってっ!


悠が…、



「……キスしてる…よ、
陽菜ちゃん…」


そう。


ここは四階建て校舎の屋上だけど、ちゃんとあたしの目には映ってる。

それこそ、唇と唇がどう合わさっているか分かるくらいに、今なら見える気がする。



悠が、あたしのクラスの何とかちゃんと。

―――キスしてる。

いや、“されている”の方が、正しいかも知れない。