サヨナラと言いたかった

空港に到着すると、飛行機の出発時間がせまっていた。


こうちゃんは、早足で搭乗口へ向かい、私もその後姿を急いで追いかけた。

途中、何度も見失いかけたけど、
そのたびに

「ユイ、こっち!」


こうちゃんの声が私を導いてくれた。


この人は、一生私を導いてくれる。


すべてが片付いて帰ってきたら、私たちは一生一緒にいられるんだ。

不安は大きかったけど、なぜか笑顔で送り出すことができた。





「じゃあ、行ってくる。」


「うん、行ってらっしゃい。」




2001年10月10日。

こうちゃんが、行ってしまった。