「こうちゃんの子ども、可愛いね。
奥さんもすごーくきれいな人。」


私は写真を手に取って
わざと大きな声で言った。


「こんなに奥さんきれいな人なのに、
なんで私なんかと浮気するの?
こうちゃんって、変な人だね…。」


「可愛くないこと言うなよ~。
ほら、こっち来てビール飲もう。」



こうちゃんは冗談ぽく笑っていたけど、
実はこれは私の本心だった。

特に美人でもなくて、
性格が良いわけでもなくて、
本当に普通の人生を歩んできた私。


どうしてこうちゃんは、私を選んだのだろう?

こんな何でもない平凡な私を。