いつもように夕飯の準備をしていた金曜日の夕方。

携帯電話が鳴った。




「もしもし――。」



「もしもし――――

ユイ?」




電話の向こうから聞こえる声に、一瞬息が止まった。



「こうちゃん?」


「ユイなんだよね?」


「うん……どうしたの…?」


「携帯を見たら着信が残ってて、まさかと思ってかけ直してみたんだけど

……ほんとに、ユイだったんだ。」



5年ぶりに聴く彼の声。

胸が奥がぎゅっとしめつけられる。