「すいませーん…。
遅刻しましたー…。」


あたしが学校についたときは
もうお昼を過ぎてた。


絶対怒られるよね…。


「やっときたか坂元ー。
はやく席につけー。」


「えっ…あ、はい。」



先生はなにも聞かずに
なにも言わなかった。


「陽乃ー。」


「あ、杏莉!」


「あたしが先生に言っといたからね。」


「そおなの?
だから怒られなかったんだー。」


「うん。
昨日のこと話したらしかたないって
言ってたよ。」


「そっか。
ありがとぉー!」



「いえいえ。」






するとずっと寝ていた蒼が起きていた。



「お前なんか忘れてねぇか?」


えっ…
なんか忘れてることあるかな?


「なんのこと?」



「ちょっとこい。」



えぇぇーー。
いきなり手を握られて
連れていかれた。

杏莉はばいばーいと手をふっている。


いや、ちょっと助けてよ杏莉ー!


このときの柚希の視線が
忘れられない。

こっちをずっと見ていた。


それに気づいた蒼が
「あっちみんな。」

そういって顔を蒼の方に向けられた。


あたしは心のなかで
ありがとう。
と言っていた。