女の子はバッタの背中をずっと撫でていてあげたいと思いましたが
しばらくしてバッタを撫でていた指をそっと離しました。

そして女の子はバッタをじっと見つめました。
バッタも女の子をじっと見つめているようでした。

しばらくして、バッタはゆっくりと窓の外を向きました。
そして、少ししてから、仲間の飛び交う青空に吸い込まれるようにして飛んでいきました。

小さな女の子は、白いバッタの飛んで行った青空を
いつまでもいつまでも、じっと見つめていました。