それからしばらく経ちました。
季節は夏になろうとしていました。

女の子が朝目を覚まし窓を開けると
たくさんの白くて小さな虫が青空に向かって飛んでいました。

女の子がぼーっとその景色を見ていると
ふぅっと1匹の虫が女の子のいる窓にやってきて停まりました。

それはとても真っ白で綺麗なバッタでした。
大きさは女の子の親指の爪くらいありました。

でも、とても小さくて真っ黒な可愛い目をしていました。

女の子はバッタの背中をそっと優しく撫でてあげました。
バッタは気持ち良さそうにおとなしくしていました。

夏の始まりの清々しい青空を
白くて綺麗なバッタ達がたくさん飛び交っていました。