「おっし、着いたでー」
「なっ、いつの間に!?」
嘘やん。瞬間移動?ってくらいいつの間にか着いてもうた。
え、あたし電車乗った?
全く記憶がないんやけど…
なんか怖いな…
それよりも。
「雪弥…あんた、ほんまに1人で暮らしとるん…?」
「なんやそれ。当たり前やん。ほかに誰と住むっちゅうねん」
「いや、うん、そうなんやけど…立派すぎるやろ!!」
「はいはい。お世辞でも嬉しいわ」
あたしが感激してるのを適当に流し、つかつかとエントランスへ入っていく雪弥。
「ちょ、待って!早すぎ!」
「莉絵がのろいだけやろ」
べっと舌を出し、意地悪そうに笑った。