「莉絵(りえ)が早いだけやって。この前んときも俺より先におったよな?」

「あー、なんか待たせるの申し訳ないやん!」

「それは俺も一緒や。俺が来るの遅いって分かってんやから、もうちょい遅く来てもええんちゃう?」

「あは、それもそうやね。今度からはそうするわ!」


実は雪弥とデート(あたしが思っとるだけ)するのは3回目。


雪弥には死んでも言えないけど、雪弥を待ってる1分1秒が好きなんよ、あたし。

どんだけ重症やねんって話やけどな。


そんくらい好きってこと。


だから待ち合わせは好きなんや。


「あ、そうそう。莉絵に渡したいものがあってん」

「へ、なになに!めっちゃ気になる!」

「ん、これこれ」


急にどしたんやろ。明日は雪でも降るんかな。


「開けてええ?」

「おん」


可愛く包まれたラッピングをなるべくきれいに破る。