取り敢えず、手がかりを求めて理沙の家に行くことにした。 「寺田は、坂倉の近くに住んでんのか?」 「ううん、昔は近くに住んでたんだけど、家建てたから引っ越したの。」 矢口君は、思ったより優しい人だった。 無言になると、悲しくなる私に気を使ってるのか、話をふってくれる。 …冷たい人と思ってて、ごめんね。 心のなかで謝罪しながら、 私は小さく微笑んだ