「あのね。お前、基本的に自分の事になると鈍いの。それでお前以上にお前の事を分かってるのが俺!何年近くにいると思ってんの?!……何、ヘラヘラ笑ってんの…。」
「えへへ…」
なんだか、
とても嬉しくて、
胸が一杯で、
自然と顔がゆるむ。
アズに妹として、女の子として、こんなにも想われている。
それを純粋に嬉しいと思った。
再び、なかなか進まない荷物の整理に取りかかるアズの横に腰を下ろす。
まだヘラヘラ笑っている私にアズも困っていた。
「…お前っ、あんまり俺以外の前では、そういう顔すんなよ!?」
アズはそう言って再び私の髪を撫でた。
「ん…おっほん…!」
後ろからわざとらしい咳払いが聞こえて、振り向くとキースとレンがいた。
「…ただいま。こんなに見張らしのいい所にいて、帰ってきた事ぐらい気が付いてくれないか?」
キースがレンの背から下りながら言った。
「おかえりなさい!キース、どうだった?街は…」
私がやはりわざとらしくキースに駆け寄るが見事に無視された。
全然、気が付かなかった…。

