わたしの…
私の感覚が、周囲の状況に追い付けない。
「……あ…れ…?」
アズから距離を少し取って、剣の進路に瞬間移動したはずだった。
紅い力は、全てを弾くから――
なのに、
どうして…?
…剣は…、
どこ……?
私の心が弱いから?
だから…?
『血』は味方してはくれなかった。
もし、神がいるのなら…
これは『罰』ですか?
歪んだ愛を、
欲した『罰』ですか…?
秘めた想いは、
それだけで『罪』ですか…?
血の味がする…。
…剣は、
――…「ここ」。
私の、
―――…胸の、中心。
「……ぐふっ…」
喉から込み上げる血が、私の口元を濡らした。
これは、『罰』――
「ア…ア…アイリ?アイリぃいぃぃ――!!」
アランが、キースが、皆が…
私に駆け寄ってくる…?
……だめ…
目の前が、白く霞む。
アズは…?
アズは、
…無事なの…?
「……ア…アズ…は…?」
「…俺は、…ここだよ…、アイリ…」
後ろから、震える愛しいアズの声。
「……あぁ…」
無事だったのね…?
良かった…

